No.3089
【今日の1冊】
耽美な画風に酔う
「金子國義スタイルブック」
好きなイラストレーターは永井博と鈴木英人、佐々木悟郎だ。好きな日本の画家は、と問われると竹久夢二と金子國義と答えている。
おれは20代からの金子國義のファンだ。
金子國義の絵は好き嫌いが分かれる。気持ち悪い、と言う人も多い。ただ、海外にこんな絵を描く画家はいるし、仮にフランスのロートレックが日本の画家なら受け入れられたかどうかはわからないと思う。
おれは金子國義の退廃的で耽美主義的な画風が好きだ。
耽美(たんび)主義というのは、美しさを最高として酔いしれること、である。
小説ならボードレールやオスカー・ワイルド、谷崎潤一郎や泉鏡花がこれにあたる。
「金子國義スタイルブック」は、金子國義が遺した、胸に響く言葉を、彼の絵や未発表の作品と共に紹介している。
おれは金子國義の作品の中では、加藤和彦のアルバム「あの頃、マリー・ローランサン」のジャケットの絵が一番好きだ。