No.3060
【今日の映画】
乾いた映像美
「アメリカの友人」
第76回カンヌ国際映画祭の男優賞を役所広司が獲得した。その映画「パーフェクト・デイズ」を監督したのがヴィム・ヴェンダースだ。
おれはヴェンダースが好きなので、殆んどの映画を観たが、一番好きなのが「ハメット」「パリ、テキサス」と「アメリカの友人」だ。
「アメリカの友人」はヴィム・ヴェンダースの1977年のハンブルクとフランスの合作映画だ。
白血病で死の不安に生きているハンブルグの額縁職人のヨナタン。彼を殺人にはめ込み、完全犯罪を進めながら危険な友情にはまりこんでいく悪党トム・リプレー。
死んだ筈の画家の贋作を描いているポガッシュ。物語は、サスペンスに富む発端の画の競売シーンから、この3人の絡んだストーリーになる。
トム・リプレーをデニス・ホッパーが、ヨナタンを名優ブルーノ・ガンツが演じている。
原作はパトリシア・ハイスミスのクライムノヴェルだが、彼女の名作「太陽がいっぱい」ではアラン・ドロンがトム・リプレーを演じた。
ヴィム・ヴェンダースはドイツの映画監督だけに、ハリウッド映画にはない、どこか乾いた映像なのだが、その映像美がクセになる。