浮月堂黄昏抄

風流なライフスタイルのために

「女帝」

No.3059
【今日の1冊】
サラリーマンは読むべし
「女帝」

読めば必ず胸が熱くなる「女帝」は、倉科遼原作、和気一作作画による劇画である。
全24巻。

高校生の立花彩香は、南国の地方都市で小さなスナックを経営する母と2人で慎ましやかな生活を送っていた。しかし、成績優秀な彩香を妬む同級生による嫌がらせや、土地開発のために地元権力者に店の立ち退きを迫られていた。
そんな気苦労から母は病気で亡くなり、必死で守って来た店も潰されてしまう。
そんな権力者たちに、自分の人生を翻弄された彩香は水商売の世界で「女帝」となり、いつの日か必ず彼らを跪かせてやると心に誓う。
彩香は単身大阪に出て、ミナミのクラブ・エレガンスのホステスになり、そこで知り合った<ミナミの妖怪>と呼ばれる実業家・美濃村に見出され、女帝への一歩を踏み出すことになる。
その後、彩香は上京し銀座の高級クラブのNo.1ホステスに。そして、念願のクラブ「彩香」を開店しママとなり、遂には銀座の女帝と呼ばれる伝説の女になるのだった。

嫌いな水商売の世界に入った彩香のホステスとしてのプロ意識、お客様への誠意を込めた真摯な接客には尊敬しかない。
サラリーマン時代、おれは「女帝」を読み、仕事の取り組み方やトラブルの解決方法、女性部下の扱い等に大いに役立った。
成功者のマニュアル本なんかより、仕事に悩むサラリーマンは「女帝」を読んだ方がいい。
ちなみに「女帝」には続編「女帝花舞」があり、彩香の娘・明日香が、銀座の女帝と呼ばれる母へのプレッシャーから反発、京都祇園の舞妓になり<花街の女帝>を目指す。
どちらもお勧めです。