浮月堂黄昏抄

風流なライフスタイルのために

「社内探偵」

No.3313
【今日の1冊】
理想の社内環境をめざす
「社内探偵」

サラリーマン時代、一時期総務部に所属先したことがある。おれが担当したのは人事だった。大手の会社は総務部と人事部は別にあるのだが中小企業は総務部が人事も担当する。

かたおかみさお「社内探偵」はよく出来た面白いコックスだ。企業の人事部に所属する久我ありさは〈社内探偵〉と異名を取るほどの辣腕で社内のトラブルを解決していく。それは不倫であったり、社内の苛めであったり、能力のある人の低評価を覆したり様々だ。ある時はお局課長や社長すら利用して、正しい企業の在り方を目指す。

企業人事に関しては、渡辺獏人の名作「人事課長鬼塚」があるが、「社内探偵」の久我ありさは末席社員として全力を尽くすところがいい。おれが勤務したいくつかの会社はどこも学閥、老害、深夜まで残業が当たり前なブラックな企業ばかりだった。せめてあの時に久我ありさみたいな人事部員がいてくれたらな、と思った。
★★★★★