浮月堂黄昏抄

風流なライフスタイルのために

「ファースト・プライオリティー」

No.3104
【今日の1冊】
それは人生で大事なこと
「ファースト・プライオリティー

「恋愛中毒」の次に山本文緒の「ファースト・プライオリティー」(2002)を読んでみた。Kindle203冊目の小説である。
ファースト・プライオリティーとは<最優先すること>を意味する。

本作「ファースト・プライオリティー」は、31歳の女性の31通りの人生を描いた31篇の珠玉掌編小説だ。掌編小説とは短編小説よりも短いものを指す。
日々、変わらない生活の中で、自分が最優先することは何なのか。それは恋愛や家庭、仕事だけでもない。
31歳の31人の女性たちは悩みながら模索し、<最優先するべきこと>に気付く。それは週末の旅行であったり、燗酒による晩酌であったり、愛のない夫との離婚であったり。
31歳という年齢は、多くの女性にとって節目になる年かもしれない。

人には人生でターニングポイントになる年齢がある。
おれは36歳がそうだった。仕事で企画部の次長になったにも関わらず愛社精神が薄れ、退職を意識したのも許されない不倫をしてたのも36歳だった。おまけに癌になったのも36歳だ。
ただ、人はターニングポイントを境に上昇する人と下降する人がいるのも事実だ。
それは、ターニングポイント以降の人生を前に腹が括れるかどうかだと思います。