浮月堂黄昏抄

風流候・原田浮月堂の花鳥風月な日々

「片恋さぶろう」

No.4173(再)
【今日の読書】
「片恋さぶろう」

30代で読んで感動した劇画「片恋さぶろう」(原作・小池一雄  作画・松森正)を久々に読んだ。古本屋を回ってもなかったが、Kindleにあり全7巻を一気に読んだ。

大御所徳川家康が第108代天皇の後水尾帝に孫娘の和子を入内(結婚)させようと計画するところから話は始まる。武家の棟梁の孫娘を皇室に嫁がせることで徳川の世を盤石にするためである。むろん公家たちの反感を買い、京都からの刺客が和子の命を狙う。その警護を任せられたのが歴戦の強者・片乞三郎信綱だ。
とにかく三郎の強さが驚異的で、和子姫を守るためなら女装もするし、自らの顔も焼く。和子姫が皇室に無事に入内する日までの働きが人智を超えているのだ。

三郎の命を賭けた働きは、大御所家康、和子の父・2代将軍秀忠の厳命もあり直参旗本としての徳川への忠義もあるのだが、和子への想いが三郎を恋阿修羅にしている。
「片恋さぶろう」を読んだ後、一途な想いに涙する。