浮月堂黄昏抄

風流なライフスタイルのために

「自来也忍法帖」

No.2801
【今日の1冊】
謎の白頭巾剣士参上
山田風太郎
自来也忍法帖

スマホの充電機の問題で、永らく更新できませんでした。申し訳ありません。

中学・高校時代に一番よく読んだ作家は山田風太郎だった。最近になって改めてKindleで読んでいる。やはり抜群に面白い。今回はご紹介するのは名作「自来也忍法帖」だ。

徳川11代将軍徳川家斉は子供が53人もあり、その33番目の子・徳川石五郎は唖(おし、話せない障害)で白痴であり、幕閣も手を焼いていた。そんな時、伊勢32万石の藤堂藩の若殿が家斉拝謁中に精液を出し尽くして怪死する。藤堂家お取り潰しの危機に幕閣が出した条件は「藤堂家の姫君・鞠姫の婿に徳川石五郎を」であった。屈辱的な条件を拒否する勝ち気な鞠姫の元に奇声を発する石五郎一行がやってくる。しかし藤堂家の裏で暗躍する伊賀忍者が若殿に続いて鞠姫と石五郎の命を狙う。その窮地を救うのは謎の白頭巾の剣士・自来也(じらいや)だった。

山田風太郎の作品と言ってもピンと来ない人も多いだろうが、山田作品「甲賀忍法帖」を漫画化したのが、せがわまさきの「バジリスク」であり、最高傑作が何度も映画化された「魔界転生」だ。山田風太郎忍法帖シリーズをぜひお勧めしたい。面白いから。