浮月堂黄昏抄

風流なライフスタイルのために

「怪談禁示録 ハカが見える」

No.3544
【今日の1冊】
怪異にはまだ読む余地がある
「怪談禁示録 ハカが見える」

正月なのに怪談を読んでしまった。いつものことで構わないんだが、まあ気分は悪い。その良くない気分を皆さんにお届けとは趣味が悪い(笑)営業のKによる「怪談禁示録 ハカが見える」だ。

本来触れるべきではない領域にある話、本能が忌避するような怪異ばかりを集めた怪談集。
1枚の人身事故画像にとり憑かれた男。事故について調べるうち恐ろしい事態が。「7センチの隙間」水死体のあがった日は海で殺生をするな。船頭の忠告を無視した釣り人の末路。「戻り恵比寿」ある二階建て家屋の調査に赴いた不動産会社の社員。家の中に入るも階段が見当たらず、同行の女性に異変が。「土地家屋調査」他、禁忌の扉がいま開く!

あらゆる怪談を読んできて、幽霊心霊の類に少々飽きてきたのだが、相変わらず営業のKの作品は読んでいる。前シリーズの「闇塗怪談」10冊も、本作が2冊目の「怪談禁示録」も単なる怪談ではなく、怪異をまとめており、なかなか興味深い。怪談には飽きたが、怪異にはまだ読みたくなる余地がある。
★★★★☆