浮月堂黄昏抄

風流なライフスタイルのために

「コープス・ハント」

No.3430
【今日の1冊】
話が広がりすぎた?
「コープス・ハント」

また知らない作家の小説を読んでみた。下村敦史の「コープス・ハント」だ。知らない作家の小説は当たりと外れが多い。読了時間は3時間だった。

「1件は俺の犯行じゃない。〈おれの思い出の場所〉に真犯人の遺体を隠した。さあ、遺体捜しの始まりだ」8人を殺害したとして死刑判決を受けた猟奇殺人鬼・浅沼聖悟の告白は世間を震撼させた。事件に疑問を抱く刑事の折笠望美は真相解明に乗り出す。一方、引きこもりの中学生・福本宗太は動画配信仲間から誘われ「遺体捜し」に出かけるが。2つの物語が交わる時、驚愕の真実が浮かび上がる。予測不能のサスペンス・ミステリ。

連続殺人犯・浅沼が殺していない女性の事件の真犯人を刑事折笠望美が捜査する話と、遺体を探す旅を続ける3人のユーチューバーの話が交互するのだが、残念乍ら、小説の途中で仕掛けがわかってしまった。連続殺人事件と別件の殺人事件について、と言うよりは子供の虐待による精神異常がテーマの小説と言える。それはそれで良いのだが、ちょっとそのテーマが広がりすぎた感がする。悪くはないんだが。
★★☆☆☆