浮月堂黄昏抄

風流なライフスタイルのために

「三叉路ゲーム」

No.3416

【今日の1冊】

骨太な警察小説
「三叉路ゲーム」

前に読んだ「死の刻」もなかなか良かったので、麻野涼の警察小説「三叉路ゲーム」を読む。読了時間は4時間でKindle310冊目の本になる。

国立警察署に勤務する警部補の小学2年生の娘が青梅鉄道公園で誘拐された。犯人からの指示で、警部補は新宿駅から東京駅、さらには新幹線で新横浜駅まで移動させられ、ホームにあるロッカーの中からメッセージを取り出す。そこには〈三叉路ゲームスタート〉とだけ書かれていた。捜査が進むにつれ、次第に過去の〈あの事故〉があぶり出されてくるのだが。

怨恨による犯人の行動には納得する部分もあり、刑事たちの過去にも触れており、なかなかの警察小説だった。「死の刻」同様に、過去の事件を風化させたくない犯人、それがだんだんと露呈されてゆき、必ずしも刑事たちは犯人を憎むこともないところが良かった。
★★★★☆