浮月堂黄昏抄

風流なライフスタイルのために

「制裁女」

No.3345
【今日の1冊】
新藤冬樹らしくない小説
「制裁女」

有料のKindleばかり読んでいるので、たまには節約のために無料のKindleを読む。有料のKindleにくらべて無料本はやや落ちる感がある。アマゾンのレビューで最低評価の新藤冬樹「制裁女」を読んでみた。読了時間4時間。

制裁女。それは美しくも恐ろしい6人の女たち。六本木のラウンジでママを務める悠華(ゆうか)を司令塔に、獣医の奈菜、地下アイドルのノノ、歌舞伎町のNo.1キャバクラ嬢・灯(あかり)、堅物の高校教師・志麻、空手黒帯の名門女子大生・蕾(つぼみ)が女を食い物にする男たちを破滅へ追い込んでゆく。しかし6人の最終標的は並外れて狡猾かつ凶暴だった。仲間に犠牲者を出したことで、悠華は決意を固めるが。

新藤冬樹にしてはツメの甘い小説ではないか。女性だけの復讐制裁チームではあるけれど素人感まるだしで弱い。元ヤクザの男性の力を借りるし、チームワークもバラバラ。そりゃ反撃されて犠牲者も出るよな、と思った。残酷な性描写だけが団鬼六に近い新藤冬樹作品だが、これはないわ、と感じた作品だった。ラストはハッピーエンド的結末だが、果たしてそうかな。
★☆☆☆☆