浮月堂黄昏抄

風流なライフスタイルのために

「告白」

No.3251
【今日の1冊】
映画原作としては良いが
「告白」

イヤミスの女王・湊かなえのミステリーを読んだことがなかったので、代表作の「告白」を読んでみた。Kindle269冊目だ。

「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。語り手が「女教師」「クラス委員長」「犯人の家族」「犯人B」「犯人A」「女教師」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。衝撃的なラストを巡り、物議を醸したデビュー作にして、第6回本屋大賞受賞のベストセラー小説。

それぞれの視点の〈告白〉による事件の全貌と結末が浮かび上がる構成は素晴らしい。ただ、中学校の生徒への牛乳を飲ませるシステムと、HIV患者の血液を牛乳に混ぜる復讐がピンと来ないし、強引な設定に思える。それに女教師・森口、クラス委員長・美月があまりに情報を知りすぎてる、というか、なんでそこまで知ってんだよ、お前は?と感じたのだが。
「告白」は湊かなえのデビュー作だからか、少し荒削りな気がした。その他の作品を読まないと、湊かなえの正当な評価はできないなあ、おれは(笑)。
★★★☆☆