浮月堂黄昏抄

風流なライフスタイルのために

「洋食セーヌ軒」

No.3192
【今日の1冊】
どれも美味しそうな料理
「洋食セーヌ軒」

ひとりで夕食を食べる時も、女性と一緒の時も夕食は洋食が多かった。もちろん居酒屋でも良いのだが、最後は白米か雑炊、焼きおにぎりを食べていた。洋食屋にしても居酒屋にしても、その次にはBARに行くことが多かったし、やはりある程度お腹を満たしてからウヰスキーなどを飲みたい。変ですかね。
神吉拓郎の小説「洋食セーヌ軒」は洋食や鮨、鰻、天婦羅などをテーマに人間模様を描いた掌編だ。書籍で1回、Kindleで2回読んだが、やはりいい。

旨い牡蠣フライが食べたくなって、10年ぶりに訪れた洋食屋「セーヌ軒」。店構えも味も当時のままだが、時の移ろいは確かにそこにあった。虹鱒のムニエルや車海老の天婦羅等、極上の料理に滲む淡い人間模様。忘れがたい味わいは、いつかの記憶も妙味に変える。直木賞作家の洗練された軽妙な筆が、人生の機微を洒脱に描き出す17の掌編集。

以前に八坂神社近くのインド料理屋に女性と行った時、コース料理なのにサモサが3個だった。イタリアンにしてもパスタが前菜として出るレストランもある。そういう意味では、スープ、前菜、メインとご飯(またはパン)で完結する洋食の方がやはり食べやすいんじゃないか。
★★★★★