浮月堂黄昏抄

風流なライフスタイルのために

「東京アクアリウム」

No.3152
【今日の1冊】
さまざまな愛の形
「東京アクアリウム

ずっと前から小池真理子の小説を読みたい、と思いつつ先延ばしになっていた。
今、直木賞受賞作の「恋」を読んでいるのだが、その前に短編集「東京アクアリウム」を読んでみた。

夜の闇に沈むカフェでかつて愛した男の霊を見たと、親友が話しはじめる<東京アクアリウム>。施設に入居する母が実家で過ごす最後の夜を描いた<猫別れ>。最終の新幹線で会いに行く、父に似た不倫相手の話<父の手・父の声>。
出会いと別れが日常に波紋を起こし、遠い過去の記憶が静かに溢れだす短編集。

アマゾンでの「東京アクアリウム」の評価は今ひとつだが、そこまで悪いわけではない。おれは山本文緒の小説と小池真理子の小説を交互に読んでいたので、硬軟どちらも面白かった。
ただ、小池真理子の真骨頂は恋愛小説であり、不倫小説なので、そういう意味では確かに物足りなかった感はある。
★★☆☆☆