浮月堂黄昏抄

風流なライフスタイルのために

肥後守

No.2904
【おれの愛用品】
昔の子供の必需品
肥後守

昔の子供の大半は肥後守という折り畳み式の小刀をポケットに入れていた。当時はまだ鉛筆削りがなく、自力で削るのに重宝した。フランスはオピネル、日本は肥後守だ。

20代前半の夏はひとりでキャンプに行くことが多かった。場所は妙見山のキャンプセンターだ。炊事場がありテントは張られていた。そこで焚火をしながらカレーを作りコーヒーを沸かした。何の目的もなく、携帯のラジカセで音楽を聴いて昼寝ばかりしていた。焚火の火を着けるのが得意だった。その時に役に立ったのが肥後守だ。拾ってきた小さな木を削り火を着け、大きな火にしてゆく。木を削るのに肥後守は実に役に立つのだ。

そのうち肥後守からビクトリノックスのマルチツールに変わってしまった。我が家には通常の3倍の大きさの肥後守がある。今はもっぱら調理用だが。