浮月堂黄昏抄

風流候・原田浮月堂の花鳥風月な日々

天津甘栗

No.3932(再)
【レトロスペクティブ】
「天津甘栗」

永く食べてなくて、また食べたいと思うのは天津甘栗だ。昔は縁日等の露店で回転する機械の中で、加熱した粒の石と共に艶のある甘栗がいい匂いを漂わせていた。

天津甘栗という名前だが中国の天津産の栗ではない。本来は天津よりも北東に位置する河北省燕山山脈の周辺地域が主な産地であり、天津の港から出荷されたため天津栗または天津甘栗と呼ばれるようになった。

 栗の三大産地は日本産の和栗、ヨーロッパ産の栗、中国産の栗だが、味が違うため、和栗は栗きんとん向き、ヨーロッパ産はモンブランなどのスイーツ向き、中国産は焼栗向きなのだ。