No.3894
【今日の1冊】
「日の名残り」
今までカズオ・イシグロの本を読んだことがなかったので、「日の名残り」を読んでみた。
短い旅に出た老執事が、美しい田園風景のなか古き佳き時代を回想する。長年仕えた卿への敬慕、執事の鑑だった亡父、女中頭への淡い想い、二つの大戦の間に邸内で催された重要な外交会議の数々。遠い思い出は輝きながら胸のなかで生き続ける。失われゆく伝統的英国を描く英国最高の文学賞、ブッカー賞受賞作。
イギリスの田舎や湖水地方への憧れがあるので、ちょっとしみじみしながら読んだのだが。イギリスの風景というよりは老執事の回想と後悔の描写がほぼ全体を占めるのが残念だった。それと唐突に終わるラストもどうなんだろう。次のページをめくると終わっていた。カズオ・イシグロは他作品も読まないと評価できない。