浮月堂黄昏抄

風流なライフスタイルのために

「マインドエラー」

No.3369
【今日の1冊】
それほど悪くはない
「マインドエラー」

全然知らない作家の本を読んでみようとKindleを探して見つけた永山千紗の「マインドエラー」。例によってレビューを見ずに読んでみた。Kindle301冊目で、読了時間は4時間だ。

章敬(のりたか)は、春から通うはずだった大学のキャンパスを東日本大震災で失い、怠惰な日々を送っていた。そんなある日、声をかけてきたのは近所の幼馴染、果瑠(かる)。美容専門学校に通っているという果瑠は、死への願望を冗談めいて話す。数日後、彼女は自宅の屋根裏部屋で無残な遺体となって発見された。直前、章敬のバイト先で妙なDVDを借りていた果瑠。その死は自らの意思なのか、殺人なのか。

前半は章敬の大学の話や、バイト先のレンタルDVDショップの話が続き、少し冗長だな、と感じた。しかし後半になって という果瑠の遺体が発見されてから急展開していく構成は悪くない。絶賛ではないけれど、それなりに読めるミステリーだった。読後にアマゾンのレビューを見ると酷評が多いが、みんな何を基準に評価してるんだろうかな。
★★★☆☆