No.3046
【浮月堂 JAZZ名盤紹介】
難解な聖者のわかりやすい曲
「BALLADS」
『私は聖者のようになりたい』と言ったジョン・コルトレーンは判断の難しい演奏家と言える。天才なのにその演奏は理解しにくい。一般のジャズファンは彼のどのアルバムを聴くべきなのか。
天才ジョン・コルトレーンは1926年に生まれたテナーサックス奏者だ。帝王マイルス・デイヴィスや公爵デューク・エリントンらと共演し、数々の名盤を残し40歳で早逝した。コルトレーンで一番わかりやすいアルバムは1962年に発表された「BALLADS」だろう。1曲目の「Say it」が実にいいんだ。その美しい旋律は女性との夜のドライブにもふさわしい。
司会者の故・大橋巨泉は元ジャズ評論家だった。ジョン・コルトレーンがだんだんと正統な演奏から離れてフリージャズに近づくのを批判していた。コルトレーン信者はフリージャズも含めて素晴らしいと評価するが、おれもコルトレーンのフリージャズは好きではない。フリージャズとは何か? それはまたの機会に。
【Say it】
https://youtu.be/8rOMV0A5jd0