No.4146
【今日の読書】
「植草甚一日記」
久しぶりに植草甚一スクラップブックの「植草甚一日記」を読む。植草甚一はおれに影響を与えた趣味人で、映画、ジャズ、ミステリー、小説、アメリカの風俗に膨大な知識を持っていた。かつてのサブカルチャー雑誌「宝島」が、「ワンダーランド」と名乗っていた頃の創刊編集長でもある。
1945年、連日の空襲のもと、主任として映画館を守りつづけながら、面白い本を求めて古本屋を巡り歩くJ・J氏。1970年、試写に、コンサートに、原稿書きにと、忙しい毎日のなか、散歩と本探しに精を出すJ・J氏。日記は最高のノンフィクションだ。ノートやメモ帖から精選されたJ・J氏の日録。
通称J・J氏こと植草甚一は日記を書いていた頃はかなり高齢だったと思われるが、原稿を書く量、山ほどの古書を買い、毎日のようにジャズコンサートに行く姿は尊敬に値する。 植草甚一スクラップブックはなかなか再販にならなかったが、今やKindleで読めるとは思わなかった。幸せなことである。