浮月堂黄昏抄

風流候・原田浮月堂の花鳥風月な日々

「たとえ朝が来ても」

No.4056
【今日の読書】
「たとえ朝が来ても」
 
北方謙三の「約束の街」シリーズ第2巻、ブラディドールシリーズとしては12巻になる「たとえ朝が来ても」を読む。
 
かつての仕事仲間であった山崎進一が忽然と姿を消した。波崎了は自分を裏切り行方をくらませた山崎を追っているうちに、この街にある「ムーン・トラベル」というツアー会社に、山崎の妻が勤めている事を突き止める。そこで「ソルティ」と呼ばれる危険な匂いがする若月真一郎と出会った。一度は友人とさえ信じた山崎がなぜ裏切ったのか真相を確かめる。その為なら死をも恐れない。自分の信念だけで動く波崎を中心に、周囲を巻き込んだ抗争がはじまった。
 
ブラディドールシリーズと違って、なかなか読み進まない。〈約束の街〉シリーズはブラディドールシリーズに繋がる伏線だと思うのだが、登場人物すべてが変った性格であり、街自体がどこか異質なため、北方謙三作品のファンとしては少し読むのが難しい。