浮月堂黄昏抄

風流なライフスタイルのために

「競馬どんぶり」

No.3625
【今日の1冊】
押し付けがましい
「競馬どんぶり」

1992年の宝塚記念から競馬をしている。27歳の頃だから、キャリアは32年になる。その間、G1レースの投票は一度も途切れたことはない。久しぶりに有名人の書いた競馬の本を読む。作家・浅田次郎「競馬どんぶり」だ。

競馬歴三十年、競馬の達人はなぜ身を滅ぼさずにすんだのか? 競馬とは何か? 馬券とはいかなるものか? 競馬という人生最大のゲームの楽しみ方と醍醐味を指南する必勝エッセイ!

浅田次郎は、複勝馬券やウインズ(場外馬券売場)、PAT(電話投票)を否定しており、馬券は競馬場でパドックを見て買うべきと力説している。その他にも浅田次郎的買い方を説いている。果たしてそうだろうか、とおれは思った。競馬で重要なのは的中した額から投資額を引いた純益であり、競馬に勝っても馬券に負けたら意味がない。浅田次郎の競馬哲学は少し押し付けがましい。馬券購入はパドックを見て買う人もいるが、血統重視、データ重視、おれみたいに競馬場と騎手と馬の相性、前走を基に考える者もいる。競馬の楽しみ方はそれぞれでいいんだ。少なくともおれは32年間、年間収支はマイナスじゃないんだから。
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