浮月堂黄昏抄

風流なライフスタイルのために

「ゴルゴタ」

No.3353
【今日の1冊】
最強兵士による国との戦争
ゴルゴタ

無料で見つけたクライムアクション、深見真ゴルゴタ」を読んでみた。今回はアマゾンのレビューを事前に一切読まなかった。ちなみにゴルゴタとはキリストが処刑された丘の名前だ。読了時間は4時間。

特殊部隊に所属する最強と謳われる陸上自衛官・真田聖人一尉の妻が義母と共に惨殺された。妊娠6ヵ月、幸せの真っ只中だった。加害少年らに下った判決は無罪にも等しい保護処分。この国の法律は真田の味方ではなかった。憤怒と虚無を抱え、自衛官を退官し世間から姿を消した真田は復讐を誓う。真田は問う、何が悪で何が正義なのかを。本物の男が心の底から怒りを露にしたその瞬間、徹底した残酷な殺戮が始まった。

少年法に守られた加害者を主人公が復讐する話だが、その力が凄い。その戦い方がパーフェクトなのだ。用意周到な作戦で加害者、不当判決を出した判事、自分を追う警察、自衛隊を容赦なく殲滅させてゆく。ここまですると爽快な気持ちになる、しかし著者の自衛隊の訓練内容と銃器の知識は半端ではない。昔読んだ大藪春彦の作品を思い出した。本当に凄い小説だった。
★★★★★