浮月堂黄昏抄

風流なライフスタイルのために

金子達仁 ラスト・ワン

No.2769
【今日の1冊】
壮絶な地獄を見た少女
金子達仁「ラスト・ワン」

スポーツライター金子達仁の「ラスト・ワン」を再読してみた。前に読んだのは書籍が発売した時で今回はKindleで読んだ。主人公は右脚を失った障害者の中西麻耶がロンドンパラリンピックに出場するまでの話。

ソフトテニスの選手だった高校生の中西麻耶が事故で右脚を失い、興味のなかった障害者レースの走り幅跳びに転向する。初めての障害者大会で日本新記録を出し、その世界のぬるさを感じ甘く見てしまうのだが現実はそんなものではなかった。精神的に追い詰められ、海外大会に出場する資金繰りに苦闘し、自身のセミヌードカレンダーを売ってまで調達する。そんな障害者アスリートの異端児を非難し攻撃するのは祖国であるはずの日本だった。精神が崩壊寸前の中西麻耶を救ったのは誰だったのか。

壮烈な地獄から復帰した中西麻耶は今も現役で、東京パラリンピックにも出場した。 ただ、中西麻耶はひとつだけ秘密にしていたことがあり、それが本書のラスト1行で明らかにされる。その衝撃の告白によって中西麻耶への見方が180度変わる。本書は金子達仁の素晴らしいスポーツドキュメンタリーだ。

明治コーヒービート

No.2766
【今日の菓子】
珈琲味の数少ない菓子
「明治コーヒービート」

好きなチョコレートシリーズの最後は「明治コーヒービート」だ。これも古くからある人気商品だ。

これはチョコレートなのに大豆サイズの粒になっており、その中央が珈琲豆のように切れ込みがあるデティールが素晴らしい。そして味がコーヒー味のチョコレートだ。意外にコーヒー味のチョコレートがないだけに嬉しい。

一般に珈琲豆と呼ばれるものは実は豆ではなく、実である。摘み取って乾燥すると白く固くなるのだが、それを焙煎してあの茶褐色になるのだ。明治コーヒービートは色も形も味も焙煎した珈琲豆を再現した素晴らしい菓子だ。

ヨックモックのシガール

No.2768
【今日の菓子】
Mさんとの思い出の菓子
「ヨックモックのシガール」

30代に勤務していた健康食品会社では企画課で広報の仕事を中心にしていた。その一方、大学の医学部等に行き、研究者へのエビデンス(裏付け)の依頼も多かった。

当時一緒にコンビを組んでいたのがM次長で、大学医学部に行く時は途中でデパートに寄り手土産に必ずヨックモックのシガールを買っていた。「なんでシガールなんですか?」と聞くと「これがいいんよ」とMさんは答え、おれが退職するまでの10年間ずっとシガールしか買わなかった。
ヨックモックのシガールはラング・ド・シャが筒状になった菓子で、美味しいのだがクセになるほどではなかった。

その後、おれは次長になりMさんは営業部の取締役に昇進した。おれがその会社を辞めて18年経ち、Mさんは専務になったと聞いた。
しかしついにMさんが手土産になぜヨックモックのシガールを選び続けていたのかはわからなかった。

日産フィガロ

No.2767
【今日の車】
東京ヌーベルバーグ
「日産フィガロ

自動車免許を持っていないのに、ある車が欲しくて一度だけ免許を取ろうかどうかと考えたことがある。日産からフィガロが発売された時だ。

日産フィガロは今までにないデザインの限定車で、おれみたいに免許のない人間でも欲しくなるスタイリッシュな車だった。販売時は「フィガロストーリー」と言う映画まで制作されて GFと一緒に観に行った。

結局、当然のことながら免許は取らなかったし、フィガロの予約もしなかった。しかし今も街でフィガロを見るたび小さな後悔をしてしまう。


スタイルカウンシル

No.2765
【今日の1枚】
あの頃を思い出す名盤
スタイルカウンシル
「CAFE BLEU」

30代から40代の10年間、ジャズを除いて一番よく聴いた洋楽の1枚はスタイルカウンシルの名盤「CAFE BLEU」だ。

スタイルカウンシルは1982年に結成されたイギリスのポップロックバンドで、ポール・ウェラーミック・タルボットを中心に流動的メンバーで活躍した。スタイリッシュと言う言葉が一番似合うバンドじゃなかったか。その存在を誰かに教えてもらったわけじゃなくて、たまたまタワーレコードジャケ買いしたものが良かったんだね。特にファーストアルバムの「CAFE BLEU」がいい。どの曲も深く心に残る。

おれは自動車免許を持っていないので女性とドライブする時はいつも助手席だ。運転するGFのたいていの車には「CAFE BLEU」があった。「My Ever Changing Moods」はいいんだ。

【My Ever Changing Moods】
https://youtu.be/Ea6Vg1oOVZA

【CAFE BLEU】
https://youtu.be/1thoPAIVW1g

明治ストロベリーチョコレート

No.2764
【今日の菓子】
毎日食べていた1枚
「明治ストロベリーチョコレート」

食べてすごく美味しい、明日も食べたい、と思ったのは明治ストロベリーチョコレートだろうか。この味はブラックチョコレートとは別の意味で大好きだった。

初めてストロベリーチョコレートを食べた時の衝撃は大きく、スーパーマーケットで買った1枚を家で食べて、また買いに走ったほどだ。つくづくチョコレートと苺の相性の良さを感じたましたね。チョコレートパフェなんかにも苺は入っているし。不二家LOOKもそうだがチョコレートの中に何かをいれると言う発想が素晴らしい。

当時は1枚100円程度だったと思うが、明治ストロベリーチョコレートはまだ継続して発売している。それはファンにとっては幸せなことなんだよ、きっと。

サクマ式ドロップスとサクマドロップス

No.2763
【レトロスペクティブ】
どちらも美味しい
「サクマ式ドロップとサクマドロップ」

缶に入った「サクマドロップス」だが、実は「サクマ式ドロップス」と「サクマドロップス」の2種類あるのをご存知だろうか。おれはサクマ式ドロップスと言うのが正しい名称だと永く思っていた。

サクマ式ドロップスの販売元は佐久間製菓株式会社で、サクマドロップスの販売元はサクマ製菓株式会社だ。佐久間製菓株式会社は創業社長が作った会社でありサクマ式ドロップスを発売するが戦争で廃業。戦後に別の実業家が佐久間製菓株式会社を再興し、また佐久間製菓の社長を務めた人の息子が興したのがサクマ製菓株式会社だ。ドロップス自体も違い、サクマ式ドロップスはイチゴ、オレンジ、レモン、パイナップル、リンゴ、薄荷、葡萄、チョコの8種類で白い粉が吹いているのだ。
サクマドロップスはイチゴ、薄荷、リンゴ、スモモ、レモン、、オレンジ、メロン、パイナップルの8種類。こちらは透明感あるドロップスだ。

おれはサクマ式ドロップスサクマドロップスも好きで、各2缶ずつ買い置きしている。飴やキャンディではなくドロップスと言う呼び方が好きなんだな。