浮月堂黄昏抄

風流なライフスタイルのために

ヨックモックのシガール

No.2768
【今日の菓子】
Mさんとの思い出の菓子
「ヨックモックのシガール」

30代に勤務していた健康食品会社では企画課で広報の仕事を中心にしていた。その一方、大学の医学部等に行き、研究者へのエビデンス(裏付け)の依頼も多かった。

当時一緒にコンビを組んでいたのがM次長で、大学医学部に行く時は途中でデパートに寄り手土産に必ずヨックモックのシガールを買っていた。「なんでシガールなんですか?」と聞くと「これがいいんよ」とMさんは答え、おれが退職するまでの10年間ずっとシガールしか買わなかった。
ヨックモックのシガールはラング・ド・シャが筒状になった菓子で、美味しいのだがクセになるほどではなかった。

その後、おれは次長になりMさんは営業部の取締役に昇進した。おれがその会社を辞めて18年経ち、Mさんは専務になったと聞いた。
しかしついにMさんが手土産になぜヨックモックのシガールを選び続けていたのかはわからなかった。