浮月堂黄昏抄

風流候・原田浮月堂の花鳥風月な日々

「花戦さ」

No.3922
【今日の1冊】
花戦さ

60代になったら、生け花を習おうと思っていた。一輪挿しには毎週花を飾り、たまに少し大きな花器に花を生けていた。抹茶を点てると同様に花を生けるのもいい。人生が豊かになる。鬼塚忠花戦さ」を読む。

厚き友情と信頼で結ばれていた、花の名手・初代池坊専好と茶の名人・千利休。しかし秀吉の怒りを買い利休は非業の死を。専好の秀吉に対する怒りが増していく。そんな専好に秀吉への復讐の機会が訪れる。

人好きのする池坊専好は生け花の名手であり、千利休同様に美の追求者だ。しかし利休が秀吉に死を賜ってから、専好の周囲の者も次々と死んでゆく。専好は暴力ではなく、生け花で秀吉と戦う決意をする。非常に読みやすい小説で3時間で読めた。ラストも素晴らしい。映画では池坊専好野村萬斎が演じており、これも傑作だった。ちなみに1965年生まれの池坊由紀が2015年に四代目池坊専好を襲名した。

https://youtu.be/60us7RyY-F0?si=LOukngMe12qSbDzj

https://youtu.be/ZICS4OtXGEM?si=kDgbO1aUs9vnWfXf