浮月堂黄昏抄

風流なライフスタイルのために

うな重

No.3030
【今日のレトロ店】
貴重な大阪焼きの店
神戸元町  うな重

神戸センター街から入った路地に「うな重」がある。
ここの鰻重は美味しい。
店の造りも池波正太郎の小説に出てくるような趣きがあり嬉しくなってくる。

年配の人はご存知だが、鰻の蒲焼きには江戸焼きと大阪焼きの2種類あるのだ。
江戸焼きは鰻の背から開き、蒸して脂を落としてからタレを漬けて焼く。対して大阪焼きは鰻の腹から開いてそのままタレを漬けて焼く。
江戸焼きが鰻を背開きにするのは、江戸=武士の都=腹開き=切腹のイメージで縁起が悪いためだ。蒸すのは江戸っ子が鰻を上品に食べるために脂を落としているのだろう。
東京人の味覚はわからないが、おれ的には脂を落としてない分、間違いなく大阪焼きの方が美味しい。

だが、大阪の鰻屋の大半は江戸焼きになりつつある。「うな重」は大阪焼きが食べられる貴重なのである。

 

添付のきれいな写真は「あっちゃんのひとりよがりな毎日」のサイトからお借り致しました。
ありがとうございました。