浮月堂黄昏抄

風流なライフスタイルのために

「愛がなんだ」

No.3555
【今日の1冊】
感情移入できない
「愛がなんだ」

約10年ぶりくらいに角田光代の小説を読んだ。前に読んだのは直木賞を受賞した「対岸の彼女」だったのだが、その時の感想は、おれには角田光代は合わないなあ、だった。今回は果たしてどうか。Kindle333冊目で読了時間は3時間だった。

「私はただ、ずっと彼のそばに貼り付いていたいのだ」OLのテルコはマモちゃんに出会って恋に落ちた。彼から電話があれば仕事中でも携帯で長話、食事に誘われればさっさと退社。すべてがマモちゃん最優先で、会社もクビになる寸前。だが、彼はテルコのことが好きじゃないのだ。テルコの片思いは更にエスカレートしていく。直木賞作家が濃密な筆致で綴る、〈全力疾走〉片思い小説!

全てが片想い相手最優先で、結局テルコは仕事をクビになる。テルコもテルコだが、マモちゃん田中守も自分中心の〈自分系〉。田中にもテルコにも呆れる。レビューには、テルコの気持がわかるという声が多々あるけれど、おれにはまるでわからなかった。やはり角田光代作品はおれには合わないような。
★☆☆☆☆