浮月堂黄昏抄

風流なライフスタイルのために

「日本語の作文技術」

No.3538
【今日の1冊】
日本語は難解
「日本語の作文技術」

25歳の時に通ったデザインの専門学校だが、おれが在籍したのは編集者養成のためのクラスだった。しかし大阪には出版社もなく、卒業しても編集プロダクションの編集者か、大半はコピーライターだった。専門学校で買わされたコピーライターのための参考書として、「植条則夫のコピー教室」などを読んだが、デザイン事務所では何の役にも立たなかった。
 
やはり仕事で一番役にたったのは、本多勝一の「日本語の作文技術」だった。35年あまりコピーライターを職業にしてきて、未だに日本語に悩む。例えば「長い」は物質の長短に使う表現であって、時間の場合は「永い」が正しい。友人からのメールに、文章の頭に「こんにちわ」、括りに「でわでわ」と書いている場合があるが、「こんにちは」「ではでは」が正しい。まあ人のメールにケチはつけないが、自分の文章にはできるだけ正しい文章にこだわるようにしている。

新聞広告やチラシ、パンフレット、書籍の原稿を書いていたので間違うと頭が痛い。自分は正しいと思っていても、誤字脱字を指摘する人は必ずいるし、おれもミステリーなんかを読んでいても誤字はよく見つけてしまう。これはもう、ある意味で病気かもしれないのだが。
★★★★☆