浮月堂黄昏抄

風流なライフスタイルのために

伊丹十三 女たちよ!

No.2669
【今日の1冊】
読んで間違いない随筆
伊丹十三「女たちよ!」

高校時代に初めて読み、あまりの面白さに何百回も読み、何度も買い直している本が伊丹十三の随筆「女たちよ!」(新潮文庫)だ。

伊丹十三を「お葬式」「タンポポ」「マルサの女」「ミンボーの女」等の監督として知る人は多いけれど、実は俳優でありデザイナーでありイラストレーターでありドキュメンタリー作家であり編集者でもあった。
戦前の映画監督・池内万作の長男だった伊丹十三アメリカ映画「北京の55日」などにも出演した元祖国際俳優だ。おれ世代の人は、「コメットさん」(九重佑三子版)のお父さん役で有名だったのではないか。

「女たちよ!」は伊丹十三の博覧強記ぶりが発揮された随筆で、「スパゲッティの正しい食べ方」「カマンベールチーズの話」、「セーターの着こなし方」「カルピスとコカ・コーラについて」など、なるほどと思う話ばかりだ。これは20世紀の傑作随筆であり名著だね。
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