浮月堂黄昏抄

風流なライフスタイルのために

パリ、テキサス

No.3127
【今日の映画】
ナスターシャに感動
パリ、テキサス

今年のカンヌ国際映画祭の男優賞を役所広司が受賞して、作品の監督のヴィム・ヴェンダースの名前が広がった。
しかしヴィム・ヴェンダースは80年代には日本でもファンが多く、おれもそうだったし、当時の監督作品はすべて観た。中でも1984年の「パリ、テキサス」は秀逸だった。

4年前に妻子を捨てて失踪した兄のトラヴィスがテキサスの砂漠で行き倒れていたという連絡を受けた弟のウォルトは、レンタカーで妻とトラヴィスの息子が待つカリフォルニア州ロサンゼルスへと向かう。当初、全く喋らなかったトラヴィスだが、やがて自分がテキサス州のパリスへ行こうとしていたことを明かす。トラヴィスによるとパリスに土地を買ってあるのだという。
ロサンゼルスで息子のハンターと再会したトラヴィスは、ある日、ウォルトの妻で義理の妹のアンから、ヒューストンにいる妻のジェーンからハンター宛にしばしば送金があることを教えられる。トラヴィスは中古車を買い、ハンターとともにヒューストンへ向かう。ヒューストンでジェーンと再会したトラヴィスは、放浪の旅に出た理由をジェーンに告白する。再び心が通じた二人。しかしトラヴィスはジェーンに息子を託して再び旅に出る。

覗き部屋の風俗店で働いているジェーンと、トラヴィスがマジックミラー越しに電話で話すシーンが感動的だ。このシーンで初めてジェーン役のナスターシャ・キンスキーが登場するのだがその存在感は半端ない。
パリ、テキサス」の脚本は「ライトスタッフ」で天才パイロットを演じたサム・シェパードが書いており、音楽はライ・クーダーが担当している。
本作は1984年のカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した。

【予告編】
https://youtu.be/wDCeViM4BpQ