浮月堂黄昏抄

風流なライフスタイルのために

「マルタの鷹」

No.3045
【今日の1冊】
unlimitedの問題点
「マルタの鷹」

10代からのダシール・ハメットのファンなので、何年かぶりに名作「マルタの鷹」をKindleで再読してみた。日本の三大探偵と言えば明智小五郎金田一耕助と神津恭介だが、アメリカの三大探偵はフィリップ・マーロウリュウ・アーチャーと、ハメットの創造したサム・スペードだ。

私立探偵サム・スペードの事務所を若い女が訪れた。悪い男にひっかかり、駆け落ちした妹を連れ戻して欲しいとの依頼だった。スペードの相棒が相手の男を尾行するが、相棒も男も何者かに射殺される。女の依頼には何か裏があったのか。やがてスペードは黄金の鷹像をめぐる金と欲にまみれた醜い争いに巻き込まれてゆく。

昔読んだハヤカワミステリーの「マルタの鷹」は小鷹信光の名翻訳だから素晴らしかったが、今回はついKindleのunlimited(一部の書籍・雑誌無料システム)で読んだためか翻訳がイマイチだったな。ダシール・ハメットは孤高の名作家であるし「マルタの鷹」も「血の収穫」も名作なので、興味のある方はハヤカワ文庫の小鷹信光翻訳版をお読み下さい。