浮月堂黄昏抄

風流なライフスタイルのために

「女王蘭」

No.2965
【今日の1冊】
女同士の死闘は凄まじい
「女王蘭」

昨日は新藤冬樹の「黒い太陽」を紹介したが、実はこのシリーズは3冊あり、続編「女王蘭」もいいんだ。

自分を裏切り、父親を死に追い込んだ「風俗王」藤堂への復讐を誓う優姫(ゆうき)は、敵の主戦場であるキャバクラで日本一のホステスを目指すべく藤堂と敵対する立花篤の店に入る。業界の覇権を争って火花を散らす二人の男、そして美しい毒牙を磨きあう女たち。夜の世界に咲き誇る女王蘭になるために優姫の戦いが今始まる。

続編「女王蘭」は、風俗王・藤堂と新たな夜の王を目指す立花篤の戦いよりも藤堂への復讐を挑む優姫の話が中心になる。おれは接待で北新地のクラブや京都の料亭には行ったことはあるが風俗とは無縁だ。しかし新藤冬樹の小説にはそんな人間を惹き付ける魅力があるんだな。