浮月堂黄昏抄

風流なライフスタイルのために

「コンビニ人間」

No.3508
【今日の1冊】
幸せなら構わないが
コンビニ人間

無料kindleだったので、村田沙耶香コンビニ人間」を読む。第155回芥川賞受賞作品だ。読了時間は3時間だった。

36歳未婚処女、彼氏なし。コンビニのバイト歴18年目の古倉恵子。日々コンビニ食を食べ、夢の中でもレジを打ち、「店員」でいるときのみ世界の歯車になれる。「いらっしゃいませー!」お客様がたてる音に負けじと、今日も声を張り上げる。ある日、婚活目的の新入り男性・白羽がやってきて、そんなコンビニ的生き方は恥ずかしい、と突きつけられるが。

主人公は人とはちょっと変わっていて、コンビニで働くことが唯一自分を受け入れてもらえる世界だと考える。家庭や女友達の集まりさえ、自分を否定される。受け入れてもらえる世界がコンビニだけだから18年もコンビニで働き続ける。おれは人の生き方や考え方を否定はしないし、それがその人の幸せなら構わない。ただ、色々な世界を経験した上でコンビニを選んだ方が良い気もするんだが。
★★☆☆☆