浮月堂黄昏抄

風流なライフスタイルのために

フィツカラルド

No.3224
【今日の映画】
強烈な主人公と破天荒な話
「フィツカラルド」

今まで観た映画で、強烈な主人公と破天荒なストーリーの一番は「フィツカラルド」(1983)だろうか。
ヴェルナー・ヘルツォーク監督、クラウス・キンスキー主演の西ドイツ映画「フィツカラルド」は死ぬまでに一見する価値がある。

19世紀末。南米マナウスのオペラハウスで行われた世界的オペラ歌手エンリコ・カルーソーの公演を1人の男が感動して聴いていた。男の名はアイルランド出身のフィツジェラルド。しかしペルーのインディオたちには発音が難しいため、フィツカラルドと呼ばれていた。彼はこの未開の地に文明の光を当てることを夢見ていた。
フィツカラルドはカルーソーのオペラにいたく感動、アマゾンにオペラハウスを建てることを思いつく。この破天荒な夢を実現するには莫大な金が必要となるため、彼は前人未踏のジャングルを切り拓いてゴム園を作り、資金を稼ぐことを計画。フィツカラルドは愛人に土地の購入資金と中古船を買う金を出してもらい、出航する。しかし、その土地は急流のため、船で直接行くことは出来ない川の上流にあった。フィツカラルドはインディオたちに協力を促し、船を川から陸に揚げて山越えし、別の川に浮かべることを思いつく。7ヵ月にも及ぶ過酷な作業の末、遂に山越えに成功したフィツカラルドであったのだが。

川が急流なら、山を越えようという発想がすでにクレイジーで、アマゾンのインディオが白人のフィツカラルドの要請で船を山に引っ張り上げるシーンが凄い。
小児性愛の癖を持つクラウス・キンスキーの怪演と、ある意味で天才のヴェルナー・ヘルツォークでなければこの映画は成り立たなかった。ラストは意外な結末だが、ある意味で良い大団円だった。ちなみにクラウス・キンスキーの次女は美人女優のナスターシャ・キンスキーだ。
★★★★☆

予告編
https://youtu.be/5323eWq6cPw