No.2924
【今日の1冊】
関西人的発想か
「なんといふ空 増補版」
以前にもご紹介した最相葉月の名著「なんといふ空」がKindleで増補版として復活したので再読してみた。
著者の最相葉月は「絶対音感」や「青いバラ」などで知られるノンフィクション作家だ。「なんといふ空」は彼女のエッセイで、関西出身だからか、考え方や出てくる地域や店になるほどと思う。最相葉月の広告会社勤務時代の後輩男性との思い出を綴った「わが心の町 大阪君のこと」という短文は真中瞳・堺雅人主演で「ココニイルコト」というタイトルで映画化されたが、この短文の後日談が今回の増補版にあり、実に良かった。
最相葉月の著作の中でも「なんといふ空」は比較的読みやすい。今回の増補版にタイトルを決めた理由が説明されていた。放浪の俳人・種田山頭火の「なんといふ空がなごやかな柚子の二つ三つ」から付けられたらしい。なるほどなあ。