平中悠一 それでも君を好きになる

No.2113
【今日の1冊】
神戸ボーイズの恋愛
「それでも君を好きになる」

セゾングループが運営するトレヴィルという出版社があった。1980年から1998年までの18年間だけ存在したのだが、なかなか奇抜な美術書や小説などを出しておりおれは好きだったのだ。関西出身の寡作の小説家・平中悠一の初期作品はすべてトレヴィルから出版された。

平中悠一は府立池田高校から関西学院大学を経て、映画化もされた「シーズレイン」でデビューした。おれの好きな「それでも君を好きになる」は3作目の短編小説集だ。

平中悠一の作品の舞台はほぼすべて神戸で、芦屋、御影、岡本あたりだ。そのあたりをお金持ちの高校生の坊っちゃんとお嬢さんのチャラい恋物語ばかりだ。
それでも平中悠一の小説が好きなのは同世代の<住む階級>の違う男女の恋愛に興味があるからだ。甘糟りり子の小説と同じか。
収録作品では「4月の海へ、ペニィローファー」がいい。ただ、雑誌に発表した時の原題「塩屋➡️舞子 トニオ・クレガー1984」の方がおれは好きだ。

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