浮月堂黄昏抄

風流なライフスタイルのために

「今宵も喫茶ドードーのキッチンで」

No.3615(再)
【今日の1冊】
癒される料理とドリンクを
「今宵も喫茶ドードーのキッチンで」

このところ頭が疲れているので大人の童話的な小説をいくつか読んでいた。学生時代はコバルト文庫も好きだったのでたまにはいい。

標野凪の「今宵も喫茶ドードーのキッチンで」が秀逸だった。
住宅地の奥で草木に囲まれひっそりと営業しているおひとりさま専用カフェ「喫茶ドードー」。この喫茶店には、頑張っている毎日からちょっとばかり逃げ出したくなったお客が訪れる。理想の〈丁寧な暮らし〉に振り回された女性翻訳家、仕事を1人で抱え込み体調を崩した雑貨店店長等、目まぐるしく変わる世の中で疲れた体と強ばった心を、店主そろりの美味しい料理が優しく癒してゆく。

おれは精神的なストレスを抱えるタイプではないのだが、あまりにハードな仕事や連日の出張が続くと体調が低下して風邪をひきやすかった。そんな時は温めた甘酒やブランデーを入れたホットミルクを飲んでいました。本書の中で店主そろりが美味しそうなホットココアを作る場面でそんなことを思いだしました。
★★★★☆