浮月堂黄昏抄

風流なライフスタイルのために

「死にゆく者への祈り」

No.3928
【今日の1冊】
哀しきテロリスト
「死にゆく者への祈り」

高校生の頃は、池波正太郎の「鬼平犯科帖」「仕掛人藤枝梅安」、司馬遼太郎の「項羽と劉邦」「燃えよ剣」「花神」等を読み、翻訳小説ではギャビン・ライアルやジャック・ヒギンズなんかを読んでいた。
今日の「死にゆく者への祈り」は心に残る1冊だ。

天才的な銃の使い手、元IRA(アイルランド共和国軍)将校でテロリストのマーチン・ファロン。
スクールバスを誤爆したことに罪悪感を持つファロンは神父と盲目の姪が暮らす教会へ身を寄せ、警察と元同僚に命を狙われながら神に罪の許しを請う。
ファロンは逃亡用パスポートと切符を得るために、イングランド北部を支配する暗黒街の帝王ミーアンから殺しを請け負う。
だが、犯行を神父とその姪に知られたことから事態は一変してゆく。
あくまで2人をかばうファロンに、ミーアン一味は死の銃口を向けてきた!

「鷲は舞い降りた」も最高だったが、ジャック・ヒギンズはやはり「死にゆく者への祈り」がいい。

罪のない子供たちの乗るスクールバスを誤爆したことの心の傷から、神父と姪を命がけで守るファロンが切ないんだ。
「死にゆく者への祈り」は、1987年にミッキー・ローク主演で映画化された。
映画も最高だった。

https://youtu.be/FhI7lmfhY5Y