浮月堂黄昏抄

風流なライフスタイルのために

「ジョーカーゲーム」

No.3013
【今日の1冊】
裏の裏の裏をかく心理戦
ジョーカーゲーム

かなり以前に読んだ柳広司の傑作小説「ジョーカーゲーム」をKindleで再読してみた。やはり素晴らしい作品だ。

<魔王>結城中佐の発案で陸軍内に極秘裏に設立されたスパイ養成学校“D機関”。「死ぬな、殺すな、捕らわれるな」。この戒律を若き精鋭達に叩き込み、軍隊組織の信条を真っ向から否定する“D機関”の存在は当然、陸軍上層部の猛反発を招いた。だが、頭脳明晰、実行力でも群を抜く結城は、魔術師の如き手さばきで諜報戦の成果を上げてゆく…。

過去も経歴も謎に包まれた魔王・結城中佐のキャラクターがいい。自分自身が超一流のスパイで、天皇制を鼻で笑い、帝国陸軍の「潔く死ぬ」という精神を全否定する。本シリーズは続編「ダブルジョーカー」「パラダイスロスト」「ラストワルツ」と続く。お勧めです。