No.3077
【今日の映画】
男のための暴力映画
「ゲッタウェイ」
好きな映画監督は?、と聞かれたら、サム・ペキンパーと答えている。20代からのファンで、監督作品のDVDはすべて持っている。
ペキンパー作品のベスト3は「ワイルドバンチ」と「ガルシアの首」、そして「ゲッタウェイ」(1972)だ。
服役中の銀行強盗のドク・マッコイは、妻に政治家と裏取引させ、予定より早く出所する。取引の条件は新たに銀行を襲撃すること。
出所後、運良く銀行強盗を成功させたマッコイたちだったが、予想だにしなかった裏切りの連鎖がマッコイを襲う。
ジム・トンプソンの原作小説を、スティーブ・マックィーン、アリ・マッグローの共演で鬼才サム・ペキンパーが映画化した。
ラスト近く、自分と妻を狙う男たちにマッコイのショットガンが火を吹く。撃たれた者たちはすべてスローモーションで倒れる。これこそペキンパー映画の醍醐味だ。
暴力映画の巨匠サム・ペキンパーは、生前プロデューサーとの喧嘩が絶えなかった。しかしブライアン・デ・パルマやクエンティン・タランティーノ、千葉真一など、その影響を受けた映画人は多い。もっと評価されて良い監督だ。