浮月堂黄昏抄

風流なライフスタイルのために

虎屋の夜の梅

No.3059
【今日の菓子】
皇室御用達の味
「虎屋  夜の梅」

嫌いではないが、和菓子では最中と羊羹はあまり食べない。しかし3年に1回ぐらい虎屋の羊羹「夜の梅」が食べたくなる。

虎屋は室町時代後期よりの皇室御用達の菓子屋だ。虎屋と言えば羊羹だ。
初めて虎屋の羊羹「夜の梅」を食べたのは茶道を習っていた頃にお茶会で供された時だ。あまり食べない羊羹だが、皇室御用達だけあって、やはり美味しかった。
「夜の梅」という花鳥風月な名前は凡河内躬恒(おおこうちのみつね)の「春の夜の闇はあやなし 梅の花 色こそ見えね 香やは隠るる」の古今和歌集が発祥だ。これは「春の夜の闇は無意味だ。梅の花の色が見えなくなってしまうが、その素晴らしい香りだけは隠れようもない、という意味だ。
羊羹「夜の梅」は、切り口の小豆を夜の闇に咲く梅に見立てて名付けている。さすが皇室御用達だ。

虎屋の羊羹は黒砂糖を使用した「おもかげ」も美味しい。たまに羊羹を食べるなら虎屋だな。