浮月堂黄昏抄

風流なライフスタイルのために

「外道笠」

No.2855
【今日の1冊】
新鋭の描く骨太時代劇
「草野雄  外道笠」

Kindleで久しぶりに読み応えのある時代劇劇画を読んだ。草野雄「外道笠」だ。

殺しの腕は一流で、金次第でどんな卑怯な手段を用いても相手を仕留める殺し屋の“人斬り外道笠”。名前はなく渡世人のような風体で恐れを知らぬ彼にいつしか人の心が芽生え始める。善と悪、交差する二つの意識の間で揺れ動きながらも刀一つで生き続ける外道笠。

良くできた劇画だが、ただひとつ残念なのは、人の心を取り戻してゆく設定よりも、非情な殺し屋のままの方が良かったような気もする。小池一夫小島剛夕の作品が好きな人にはお薦めの作品。全2巻。