浮月堂黄昏抄

風流なライフスタイルのために

釣鐘屋本舗の釣鐘饅頭

No.2854
【今日の菓子】
こし餡が美味な菓子
「釣鐘屋本舗の釣鐘饅頭」

20代後半のコピーライターの頃、1ヶ月間毎日大阪の四天王寺に通っていた時があった。当時勤務していた広告制作会社で、おれのクライアントだった四天王寺に納品したパンフレットに誤植があり、社務所で1万部に毎日訂正シールを貼っていたのだ。コピーライターになって初めての大きなミスで、朝から夕方まで単調な作業を繰り返していた。

そんな時、近くの蕎麦屋で昼食を食べた後、参道にあった老舗の釣鐘屋本舗で毎日のように四天王寺名物の釣鐘饅頭を買い、亀の池を見ながら黙々と食べていた。釣鐘饅頭は軟らかいカステラ生地にこし餡が入った釣鐘形のものでクセになるくらい美味しい菓子だ。

シールを貼る訂正作業に懲りて、コピーライターとしての誤植ミスはしなくなったが、今でも釣鐘饅頭を見るたびに若き日の失敗を思い出す。