浮月堂黄昏抄

風流なライフスタイルのために

「時代屋の女房」

No.2807
【今日の1冊】
こんな小説がいい
時代屋の女房

村松友視が1982年に発表し、直木賞を受賞した小説「時代屋の女房」がやはりいい。先日、14回目の再読をした。

東京大井で時代屋という名の骨董品屋を営む独身の安さんのもとに美人の真弓が突然住みついた。同棲状態だが、真弓の素性はわからない。ただ真弓はたまに家出して1週間後に何事もなかったように時代屋に帰ってくる。そんなある日、また真弓が家出するが、今回は帰ってこないような気がして安さんは不安になるのだが・・・。
何より設定がいい。安さんと真弓、職人肌のクリーニング屋の今井さん、プレイボーイの喫茶店のマスターなど、下町ならではの人々が生き生き描かれている。

時代屋の女房」は1983年に映画化され、安さんを渡瀬恒彦、真弓を夏目雅子が演じた。小説が出版された時のキャッチフレーズ「何も言わない何も聞かないのが都会の流儀」がおれは好きだ。名作です。