吉田修一 東京湾景

No.2722
【今日の1冊】
また読みたくなる不思議
吉田修一東京湾景

5年ほど前に単行本、3年前に文庫本で読んだのだが、どういう結末だったか忘れたので吉田修一の恋愛小説「東京湾景」をKindleで再読した。

もちろん大筋はだいたい覚えている。東京湾の見える港湾で働く青年・亮介が出会い系サイトで<涼子>という女性と出会う。浜松町のキヨスクで働いているという涼子だが、それは偽名で、実はお台場の商社で働くOLだった。肉体労働者の亮介と、キャリアウーマンの涼子(本名は美緒)。持つ者と持たざる者、生活の格差は恋愛感情にも少なからず影響を与える。
単行本と文庫で2回も読んだのに吉田修一の作品はなぜか心に残らない。それは批判ではない。上等の吟醸酒のように二日酔いになることなく、新たに飲みたく(読みたく)なるのだ。

主演「東京湾景」は仲間由紀恵主演でドラマ化されている。なぜかドラマでは港湾で働く青年・亮介と裕福な在韓二世のOLの恋愛物語になっていた。少し違和感はあったがそこまでは悪くなかった。