吉田篤弘 台所のラジオ

No.2694
【今日の1冊】
これはまさに大人の童話
吉田篤弘
「台所のラジオ」

吉田篤弘の作品は深く考えずに読めて、その舞台背景の「何か」がひとつだけ心に残る良さがある。「台所のラジオ」(ハルキ文庫・刊)もそんな作品だった。

「台所のラジオ」は12篇の短編集だが、全話を通してのモチーフが主人公たちが台所で聴くラジオだ。様々なシチュエーションで台所のラジオを聴くことで話は展開する。

吉田篤弘の作品としては映画化された「つむじ風食堂の夜」「それからはスープのことだけを考えて暮らした」「レインコートを着た犬」の<月舟町三部作>が有名だが、「台所のラジオ」も三部作同様に読み終わるのが惜しい名作だ。
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