浮月堂黄昏抄

風流なライフスタイルのために

りゅうさん紙

No.2655
【おれの愛用品】
意外に便利な紙
「りゅうさん紙」

食事したらすぐに鍋もフライパンも皿も洗わないと気がすまない。これは性格によるもので、男性ひとり暮らしでシンクに汚れた皿や茶碗がそのままで数日間放置する人の気が知れない。伊丹十三の随筆に、食事は食べる料理の茶碗と皿、スープ皿とカトラリー以外は全て洗い終わってないといけない、とあるがさもありなんだ。

しかし時間のない時、食前食後の食器洗いはきつい。そんな時、おれは皿代わりにりゅうさん紙を使う。りゅうさん紙とは漢字で硫酸紙と書き、茶道に使用する懐紙の一種だ。要するに紙の表面に水分をはじく防水加工がしてあり、茶道で羊羹などの水菓子を持ち帰るための紙である。まあ一種の油紙だ。

りゅうさん紙を広げて、この上にトーストやアイスコーヒーのグラスを置き、食べ終わったら廃棄するだけの便利な紙だ。昆虫採集で蝶を捕まえたら羽に傷がつかないように折ったツルツルの紙に入れる。あれがりゅうさん紙だね。
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